山の上

だいたい自分のために書いてる

1人でいれば夏が来る前の匂いに気付ける

 泣く才能みたいなのがあるのは一つ自慢というか、チャームポイントだと自負している。とは言っても人前で泣きまくるとかではないし、友達の前で泣いたことなんてほとんどない。高校2年のときに、自分の高校が出場する夏の高校野球を実際に観に行って感動して泣いたくらい。あれはね、泣けたよ。

 

 早速話がずれたけど。私の泣く才能は好きな人の前で泣く才能のことで、ことごとく披露してきたつもりが、ここでつっかえている。予め言っておくと自分の泣き顔は可愛くない。泣くことが相手の心を開くきっかけになるから、というと戦略じみてて気持ち悪いと思われても仕方ないけど、それが20%くらいあって、そのほか80%は普通に、普通に泣きたいから泣いている。日頃から好きな人はたくさんいるが、泣ける環境とかからタイミングが揃えば私はいつでも泣くことにする。でも映画は良いタイミングに入らない。個人的な悩みとかで泣くほうがいい。

 

 このブログでよくデートしている人がわたしはかなり好きで、時々1人でいるときに何をプレゼントしてやろうかとニヤニヤしたりするんだけども、精神の調子が悪いときにはそんな浮かれたことも考えられない。それにその人に対しても悩みを抱えたりするから、不満をぶつけるって言ったら暴力的だけど泣くことで聞かせてやろうかなと考えることがある。罪悪感はある。

 

 だけど、わたしはそれができないから悶々としているんだ。ただ相手が喋るのを見ている。自分のことなんか忘れてしまって、幽霊になったような気持ちで相手の話を聞き続け、レスポンスの言葉を探している間に次の話になっていたりする。だから泣ける暇がないんだ、きっと。そしてきっとこれは言い訳である。

 

 好きな人の前で泣かないこと。心臓の奥になにか塵みたいなのが溜まっている感覚でしんどい。それに気づいたのは今日、渋谷の某本屋で本を大量に買ってしまった後、暗くなった道玄坂に突っ立ったときだった。1人でいれば夏が来る前の匂いに気付けるのに、2人で居るとそれに気付かない。わたしはまだ緊張感がほどけていないんだと思う。これが家族みたいになれない人達のさだめなのかと思えば、いつでも泣けることにも気付いた。

 

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