山の上

だいたい自分のために書いてる

長文/ 先生たちのこと

ニューヨーク生活も後半に差し掛かり英語を勉強するコツも掴めてきた頃ですが、また別れなどがありましてなんとなく寂しい気持ちになる。わたしは1日に二つ学校に行ってて、その午後の方の学校が今日で終わりだった。一月後半に入ってから今までほぼ毎日通った学校だ…6ヶ月弱長かった。最初は結構憂鬱だった。始めた当初、担当していてくれていた講師の人が少し意地悪と言えばいいのか、わたしが気を遣わざるを得ない感じだったから…まあその人は1ヶ月少しで去られたのでまあよくて、そのあとは優しく厳しい、良い先生たちに恵まれたし、実際とても楽しかった。発音もかなり修正してもらったし、行った甲斐があったと思う。でも、勉強を超えた、生の会話的なものを経験できたのが凄い嬉しかった。講師の先生方は講師だけど、先生感が全くない。年齢も20〜30代と比較的若いし、感覚が似ることも多かった。

ずっと指導してもらってた、ベネズエラ出身のalexは、教育に熱い人。時事問題から日焼けの仕方までなんでも知ってて、聞いたことはめんどくさがらずに全て教えてくれた。役者の彼は毎回忙しそうだった。オーディションと不定期な仕事を繰り返していて、それこそ疲れを出さないように頑張っているのが鈍感なわたしでもわかった。Alexは結構な頻度でペインターで同じくベネズエラ出身のの恋人のことを話してくれた。それぞれの話にとっても心が温まった。彼のInstagramもほとんどが恋人に関する投稿で、しかも恋人のことを本当に応援している。画家の彼のサポートで搬入や展示の設営を一緒に行ったりもしてた。そんな二人の活動やライフスタイルがすごくわたしの憧れです。最後の日だった今日、Alexは普段恋人のことを「パートナー」と呼ぶのに、今日だけ「ボーイフレンド」と呼んでた。その時に、あ、私はAlexの心を開ける人間に一歩近づけてたかもしれないと思った。いい瞬間だった。あと今日は、どうやったら人の目を気にしなくなるか、という感じの話をグループでしてたんだけど、俳優のAlexは何回もオーディションをこなしていくにあたっていつもやっている緊張をほぐす習慣だとかを教えてくれた。ニューヨークにはアクターが山ほどいるから、それと同時に、溢れるくらいいるからこそオーディションの機会もたくさんあるし、落ちることも、恥を書くことも山ほどあったと思う。そういう教訓を自分から教えてくれるAlexを心から尊敬している。わたしも恥を書くことは死ぬほどあるけど気にしないようにしたいな。多分できる。多分。。それで、そういうことを恥を捨てて人に言えるようになったらどれだけ楽になるだろうなと心から思う。

 

三週間前に入ったキャロラインとスペンサーはとても年が近くて、短い間とは言え、さらにリアルな会話ができたのがとても良かった。

キャロラインはとっても思いやりのある女性で、まず話を聞いてくれ、的確な答えやアドバイスをくれた。特に今日はアメリカの学籍社会と、学費と、親が学費を払うことについての罪悪感の話をした。んで、泣きそうになってしまった。キャロラインは先日面接を終えたばかりで、もしも合格したら来週から正社員として働くみたいなんだけど、これに至るまで、大学の学費や、親のサポートありで生きてきた今までに罪悪感を感じていると言っていた。ああわかる、親は心から子供のことを応援して大金を出してくれてるけど、それに対して金を出させているという罪悪感がある、、とわたしも思っていた。特にアメリカは公立ですら年間200万以上、私立は年間500万以上かかる。そこまで教育にお金をかけるけどもそれで終わらず、進級すら難しい大学で卒業しないとアメリカ国内特にニューヨークで仕事を探すのはかなり難しい。だからみんな大学には行かせるけれども、それでのしかかるのは莫大な借金だ。40代ですら払い続けてる人もいる。他人ごとではない。自分の子供にこういう迷惑をかける可能性だって十分にあるし、わたしの友達でも奨学金を借りてる人なんてザラにいる。わたしもキャロラインも親が払ってくれているおかげで借金はないけれど、もしも借金があったらどうだろう。気が重いなあって話してたけど、これを打破する方法はちゃんと学ぶことしかないよねってなった。当たり前だけど…。キャロラインとわたしはとても境遇が似てて、悩みを話すたびにウルウルしてしまっていた。数学が無理なところとか、かつてすごい太ってたところとか、家庭の状態も似てるし…。あー、さみしい。文章書いててさみしい、、キャロラインは普段会う友達にも、この学校でバイトするのが楽しいと話してたらしい。キャロラインがこんな英語の不自由な人との会話ですらも楽しんでくれたなら私は一番嬉しい。ああ大好きだよキャロライン〜!!またすぐ会おうね。

スペンサーも優しくてとても頼り甲斐のある男性!いや、同い年とは思えないほど頼り甲斐あるんだよ。25歳くらいかなと思ってたから20歳って知った時はビックリした。スペンサーに関しては思い入れがありすぎて文章に書けないんだけど、まとめると(まとめるなや)同い年に思えない。同い年に英語を教わるのがすごい、こう、初めてだったからかビビった。だし、教え方がうまいの!あと考え方が大人びた感じも、体格の良さも、ファッションも、音楽の趣味も…そしてやりたいことが的確に決まってるのがすごい印象的だった。アメリカはいま夏休みなんだけど彼はミシガン州から夏休みの間だけニューヨークに越してきて、NYUという大学のサマープログラムを受講してる。長期休みを使って勉強するってすごいなあ、いや今まさに私もしてるけど、それでもすごい。スペンサーと私は音楽の趣味が凄い似てて、どれくらい似てるかというと、私の人生の中で一番音楽の趣味が一致してた。こんな、オルタナ生まれメタル育ちアンビエント又はプログレ在住みたいな趣味に、初めて着いてこれてる人だった。しかも同い年だなんて。しかも全然オタクじゃなくて、いや音楽の趣味はマニアックだけど、とにかく全然オタクじゃない。むしろ変な音楽も知ってるのにアカペラとか、ミュージカルもやれる、みたいな。どうしたら、そんなことになるのか?どうしたらそんな差別のない良い人間になれるのか。スペンサーも、ほかの講師も人間的に良すぎる人が多すぎる。良い人間を体現した人間ばっかりで本当に謎だ。わたしも良い人の中にいたことで、良い人になった気持ちになってる今、、スペンサーとは毎回の授業で音楽の話をするのが楽しくて幸せだったなあ。Chonのツアーがあるんだよ とだいぶ前に話してたのを覚えてくれてて、数日前に一緒に行こうと誘ってくれたのも嬉しかった。あのライブ、Chonのプレイもすこぶる最高だったんだけど、スペンサーと私、楽しすぎてニコニコしてるのをお互い見て、ニコニコしてた。っていうのは、良いリフやソロが聴こえる度、テンションが上がる度にスペンサーが私の方を見て嬉しそうな顔をするのでそれを見るとなんかもう笑みがこぼれちゃうというかなんというか、、。伝わる?んで、私も同じことをスペンサーにしてた。あの時間すごい幸せだった。あとそのあと185センチ?くらいあるスペンサーは、Chonのかなり大きいモッシュから私のことを守ってくれた。その時は、うお、やるな!と思った。人の多さで本当に隙間の少なかったあの会場で、最初から最後までわたしはスペンサーの横にいた。人が後ろから押し寄せてきて離れてもすぐスペンサーがわたしのこと見つけてくれた。ステージを観ながら、曲を全身で感じながらあの時、私はスペンサーと私の間に絆が生まれるのを実感したよ。彼とこの感動を共有できて本当に良かった。ああありがとう生まれてきてくれて…スペンサー、講師としても、同級生としても心から尊敬してるよ。ありがとう。