山の上

だいたい自分のために書いてる

九月

 数日過ごした同居人は寂しいやらなんやかんや言いつつも早朝に家を出て行った。バスに乗るためにこんな体力を消耗して、グダグダと別れることすらも出来なかった。頭があんまり追いつかないので、また帰ってくるような気がしている。

 

 8/31は昼過ぎに起きて、14時くらいに家を出た。暑かったのに、移動中にいつのまにか涼しくなっていて、王子駅を降りて歩いていると懐かしい匂いがした。一緒に歩いた人は放課後の匂いだと言った。わたしは好きな人が学校にいるときの登校中に感じる匂いだと思ったけど、なんとなく言わないでおいて、歩き続けていた。

 

 8/31にぴったり夏が終わった。今は9月になった。本当に秋になった。クーラーはもういらないくらい涼しくて、まだ気怠いので寝転がってスポーツウェアを見ている。

 

 昨日から、もうわたしは一人でもいいかもと心の底から思うようになった。涼しくなってなんとなくそう思ってしまうようになった。人に頼りたいとか、人に会いたいのは夏の力だったのかもしれない。知らないけどたぶん暑いだけではなくて、8月はなんとなくそういうものなんだと思う。

 

 同居人は関西に帰っていき同居人ではなくなった。今頃新宿で携帯でも見てるんだと思う。みんなが健康で生きてくれたらいいや、気が向いた時に会えたらいいや。少なくとも東京都世田谷区に来ればわたしに会えることがわかったのだから、いつでも来ればいいんだ。私は暫く旅ができる気がしないから。